タイトル
第47巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

胸水貯留を伴った肺原発MALTリンパ腫の1例

徳安 宏和1, 渡部 悦子1, 唐下 泰一1, 河崎 雄司1, 前田 亮2, 磯和 理貴2
松江赤十字病院 1呼吸器内科, 2呼吸器外科

背景.肺MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫に胸水を伴うことは稀である.症例.症例はHTLV-1(human T-cell lymphotropic virus type-1)キャリアーの78歳男性で,1998年の検診で右下肺野に腫瘤影を指摘され気管支鏡検査を施行されたが確定診断が得られず.その後腫瘤影が増大し,右側胸水が出現したため2001年11月当科に入院した.胸水は血性でリンパ球優位な滲出液であった.診断的治療目的で右中下葉切除術を施行し,組織の免疫組織学的および遺伝子解析による検討でMALTリンパ腫と診断した.術後化学療法は施行せず経過観察しているが術後65ヶ月の現在も再発は認められない.結論.MALTリンパ腫の胸水貯留例であっても腫瘍の完全切除例では予後が良好であると考えられた.
索引用語:MALTリンパ腫, 胸水, HTLV-1キャリアー

受付日:2007年8月1日
受理日:2007年10月11日

肺癌 47 (7):891─896,2007

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