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第48巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

肺癌の転移・予後に関連するマイクロアレイ解析

稲村 健太郎1, 石川 雄一1
1(財)癌研究会癌研究所病理部

目的.ヒトゲノムプロジェクトを駆動力とするヒトゲノム解析が急速に進展している.現在,マイクロアレイを用いることにより,ほとんど全ての遺伝子を同時かつ包括的にモニタリングすることが可能となった.癌は複数の遺伝子異常の蓄積により発生する病態であり,癌の発生・進展にかかわる多数の遺伝子を体系的に解析することは必須であり,そのツールとしてマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析が注目されて久しい.結果.本稿では肺癌マイクロアレイ解析の変遷を肺癌の悪性度・予後に注目して紹介するとともに,我々の行ってきた解析,(1)肺扁平上皮癌における階層クラスタリングとnon-negative matrix factorizationを用いたマイクロアレイ解析,(2)高悪性度内分泌性腫瘍の組織学的分類と遺伝子発現プロファイル解析,(3)同一病変内の肺腺癌のheterogeneityと転移能の解析を紹介するとともに,肺癌の転移・予後に関連するマイクロアレイ解析について述べたい.
索引用語:肺癌, マイクロアレイ, 発現プロファイル, 分類, マイクロダイセクション

受付日:2008年2月19日
受理日:2008年6月12日

肺癌 48 (4):247─253,2008

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