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第48巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
右上葉左上区発生肺癌における気管分岐部リンパ節（＃7）郭清省略の妥当性に関する検討
上原 浩文1, 奥村 栄1, 佐藤 之俊1, 坂尾 幸則1, 文 敏景1, 今清水 恒太1, 矢部 三男1, 中川 健1, 西尾 誠人1, 石川 雄一21（財）癌研究会有明病院呼吸器センター, 2癌研究会癌研究所病理部
背景．当科は1991年に右上葉および左上区発生非小細胞肺癌に対する気管分岐部リンパ節（＃7）郭清省略を開始した．目的．＃7郭清施行群と省略群の成績から＃7郭清省略の妥当性を検討する．対象と方法．1980～2002年の切除例627例の郭清群：省略群＝335：292を対象とした．（1）郭清省略の根拠（転移頻度が低い，転移陽性例は予後不良，気管支断端虚血の危険因子）の再検討，（2）予後からの妥当性，（3）再発形式からの妥当性を検討した．結果．（1）＃7転移は3.3％（11/335例）と低頻度だった．＃7陽性11例の5生率は18％と不良だった．気管分岐部郭清は気管支断端虚血と有意に相関し，気管支断端虚血の危険因子であった．（2）病理病期別5生率（％）に有意差なく，IA期87：91（p＝0.40）, IB期76：79（p＝0.75）, II期53：63（p＝0.33）, IIIA期51：37（p＝0.20）だった．多変量解析で郭清省略は独立予後規定因子ではなかった．（3）省略群中再発は28％（83/292例）に認め，部位は遠隔：局所＝65：18であり，＃7単独初発再発はなかった．結論．＃7郭清省略は妥当と思われる．
索引用語：気管分岐部リンパ節, 選択的縦隔リンパ節郭清, 外科切除, 気管支断端虚血
受付日：2008年2月28日
受理日：2008年5月30日
肺癌 48 (4)：266─272，2008
