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第48巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 第33回画像診断セミナー ─
胸部CTによる肺腫瘤の質的診断
斉藤 春洋11神奈川県立がんセンター呼吸器内科
高分解能の薄切CT（Thin-section CT：TS-CT）画像により，肺野腫瘤陰影の精細な画像が得られるようになり，CT画像による小型肺腫瘤の質的診断が可能になってきた．肺野小型腫瘤陰影は，TS-CT画像の縦隔条件と肺野条件を比較することで，含気型陰影と充実型陰影に分類される．また，肺野条件画像所見からは，（1）Non-solid nodule（GGO：ground-glass opacity），（2）Part-solid nodule，（3）Solid noduleに分類される．GGOを呈する腫瘍性病変の代表的なものは，野口type A腺癌やAAHである．Part-solid noduleは野口type Bやtype C腺癌の病理組織を反映している．Part-solid noduleのsolid部分は，含気型腺癌では虚脱の病理組織所見に相当するのに対し，充実型腺癌では肺胞構築を破壊して増殖する腫瘍細胞の病理組織を反映しており，充実型腺癌は含気型に比べ術後の予後が不良である．Solid noduleは野口type D腺癌，扁平上皮癌・小細胞癌などが呈する画像である．TS-CTの水平断面画像所見からだけでなく，MPR画像，造影TS-CT画像，経時的変化などの多角的な画像診断を行なうことで，質的診断の精度が向上する．
索引用語：小型肺腫瘤, 含気型, 充実型, Part-solid nodule, Solid nodule
肺癌 48 (4)：302─311，2008
