タイトル
第48巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

MRI拡散強調像が診断に有用であった再発胸腺腫の1例

鳥羽 博明1, 近藤 和也2, 滝沢 宏光1, 監崎 孝一郎1, 先山 正二1, 丹黒 章1
徳島大学 1病態制御外科, 2成人・高齢者看護学

背景.近年,MRI拡散強調像は撮影技術の進歩によって躯幹部にも応用できるようになってきた.今回われわれは再発胸腺腫の診断にMRI拡散強調像が有用であった1例を経験した.症例.30歳代女性.重症筋無力症(IIb型)合併胸腺腫(正岡IVa期)に対して化学療法施行後に手術を施行した.WHO分類のType B3であった.その後,化学放射線療法が施行されたが,初回手術3年9ヵ月後に胸腔内の再発を来し再切除を施行.初回手術5年9ヵ月後に施行したFDG-PET/CTにて傍大動脈領域と右第XI肋間背側にFDGの集積を認め再発と診断した.しかし,FDG-PET/CTでは集積を認めなかったが,MRI拡散強調像で右胸腔内に高信号を呈する小さな病変を他に計5個認め,播種と診断した.傍大動脈領域の再発巣を切除した後,胸腔内の播種病変を完全切除することができた.結論.本症例ではMRI拡散強調像にて小さな再発巣を描出することができ完全切除することができた.今後,本症例の経過観察にMRI拡散強調像が有用であると考えられた.
索引用語:再発胸腺腫, 胸膜播種, MRI拡散強調像, FDG-PET/CT

受付日:2008年2月15日
受理日:2008年7月3日

肺癌 48 (6):700─703,2008

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