第48巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 第22回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
抗癌剤による薬剤性肺障害
酒井 文和1, 長谷川 瑞江11埼玉医科大学国際医療センター放射線科
薬剤性肺障害は信頼に足る臨床検査法がなく,また画像診断所見も非特異的であることから,その診断には臨床所見,検査所見,画像所見を総合して判断しなければならない.またその診断の確度も臨床診断レベルにとどまることが多い.画像所見でDAD類似型パターンを示す症例の予後は不良である.既存の慢性間質性肺炎を中心とする肺の破壊性病変の存在は,薬剤性肺障害発症のリスク因子でもあり,肺障害発症時の予後不良因子でもある.薬剤性肺障害診療における画像診断の役割は,投与前のリスク評価としての慢性間質性肺炎の有無とその程度の評価,発症時の画像パターンによる予後や重症度の推定,鑑別診断の一助,経過観察や合併症発症の有無などにある.
索引用語:薬剤性肺障害, 抗癌剤, 画像パターン, びまん性肺胞領域障害
肺癌 48 (6):721─726,2008