第48巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 第22回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
間質性肺炎の急性増悪との関連から
近藤 康博1, 西山 理1, 市川 元司2,3, 谷川 吉政3, 平松 哲夫4, 片岡 健介1, 加藤 景介1, 木村 智樹1, 谷口 博之11公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科, 2土岐総合病院呼吸器科, 3JA愛知厚生連豊田厚生病院呼吸器内科, 4小牧市民病院呼吸器・アレルギー内科
間質性肺炎合併肺癌患者の診療には種々の問題がある.最近の報告では,間質性肺炎患者の肺癌治療では,薬剤性肺障害や急性増悪が起こりやすいとされている.われわれは,間質性肺炎合併肺癌52例(男性/女性 49/3,平均年齢70.5±7.5歳,非小細胞肺癌/小細胞肺癌 42/10例)を検討した.非切除非小細胞肺癌30例中19例で抗癌剤治療がなされ3例が2nd line治療中(Paclitaxel 2,Gefitinib 1)に急性増悪を発症した.非切除非小細胞肺癌で対症療法中の12例では1例が急性増悪を発症した.小細胞肺癌10例中7例が抗癌剤治療を受けたが,急性増悪例は認めなかった.肺癌診療においては間質性肺炎合併を慎重に評価し,間質性肺炎合併に際しては十分な説明を行ったうえでの治療方針決定が重要である.
索引用語:間質性肺炎, 肺癌, 急性増悪
肺癌 48 (6):732─736,2008