第48巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 第22回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
薬剤性肺障害におけるNPO法人―日本胸部放射線医学研究機構―の取り組みについて
村田 喜代史11滋賀医科大学放射線医学講座
近年,分子標的抗癌剤や抗体製剤などの新規薬剤が次々と臨床の場に登場するとともに,薬剤性肺障害が社会的にも大きな問題となっている.薬剤性肺障害は,基礎疾患の増悪や感染症との鑑別が難しく,読影には経験と知識が必要とされる.NPO法人日本胸部放射線医学研究機構は2003年11月に,胸部画像診断を専門とする放射線科医の組織として設立されたが,これまでの4年間の間に,薬剤性肺障害に関する種々の取り組みを行ってきた.臨床治験において薬剤性肺障害が疑われた症例に関する画像評価判定委員会の委員としての参加が主なものであるが,市販後調査の事前画像判定医という形での貢献も行ってきた.今後,さらに進めて,NPO法人の全国ネットワークを生かして,全国のどこでも,胸部画像診断医が専門家として,主治医から薬剤性肺障害に関するコンサルトを受けられるような体制作りを目指して,準備を進めているところである.
索引用語:薬剤性肺障害, 画像診断, NPO法人
肺癌 48 (6):737─740,2008