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第48巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第22回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

胸部単純X線撮影におけるコンピュータ支援診断の臨床実用

坂井 修二1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門

胸部単純X線撮影の経時的差分は世界に先駆け本邦で臨床実用が開始されたコンピュータ支援診断(CAD)であり,その有用性が大いに期待されている.一方,結節検出は,肺癌のスクリーニング検査の一助として期待され,本邦ではいくつかの施設で臨床応用が開始されている.いずれのシステムも現在までに肺結節の検出に重点をおいた有用性が読影実験により強調されてきたが,様々な状況下での日常臨床における有用性に関する報告はいまだ少ない.また,これらCADシステムを毎日の臨床で実用するためには,病院のネットワークと高度な連携を図る必要があるが,過去に病院ネットワークとCADシステムを連携させルーチンワークに応用した報告はほとんどみられなかった.九州大学病院では2001年から経時的差分を,2002年から結節検出を病院ネットワークと連携させ読影に利用可能にした.途中,病院ネットワークのシステム変更に伴い,CAD画像の参照方法を大幅に変更した.加えて,これらCADシステムの性能評価を基礎的実験により行ってきた.今回は,胸部単純X線撮影の経時的差分および結節検出と,九州大学病院におけるこれらCADシステムの臨床実用を解説する.
索引用語:肺癌, 胸部単純撮影, コンピュータ支援診断, PACS, ソフトコピー診断

肺癌 48 (6):741─746,2008

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