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第48巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第22回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

肺腫瘍に対するRFA治療の臨床試験による評価

松岡 利幸1
1大阪市立大学大学院医学研究科放射線医学教室

近年,悪性肺腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法(RFA)の臨床応用が注目されている.そこで,原発あるいは転移性肺癌に対する本療法の安全性と有効性の評価を目的に,多施設共同第I/II相臨床試験を行った.主な適格対象は,根治切除困難で,かつ治療前FDG-PETで異常集積を認める長径1~2.5 cmの病変とした.径の測定が困難な病変や縦隔,胸膜,5 mm径以上の気管支・血管に接する病変は除外した.局所麻酔にて,画像ガイドで経皮的に病変に電極を刺入し,低出力から徐々に出力を上昇させてablationを行う.必要な場合,病変全体を凝固範囲に含むよう,複数個所で凝固を実施する.安全性の評価を,術前後の患者観察やCT,MRI,血液生化学検査,呼吸機能検査などで行った.また有効性の評価を,術後3ヶ月と6ヶ月と術前のFDG-PETにて,異常集積の視覚評価で行った.現在までにデータが得られた30例(原発6例,転移24例)の平均病変径は1.53 cmであった.46.7%に気胸が生じたが,胸腔内チューブ挿入は1例のみで,重篤な有害事象の報告をみなかった.FDG-PETによる有効率は91.7%であった.今後,さらに詳細な最終解析を進めていく予定である.
索引用語:肺癌, ラジオ波凝固療法(RFA), 臨床試験

肺癌 48 (6):765─769,2008

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