タイトル
第48巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

全身化学療法抵抗性の再発小細胞肺癌肝転移に対し,シスプラチン,ドキソルビシン,イリノテカンによる肝動注化学療法が奏効した1例

大場 岳彦1, 玉岡 明洋1, 古家 正1, 宮崎 泰成1, 稲瀬 直彦1, 吉澤 靖之1
1東京医科歯科大学呼吸器内科

背景.全身化学療法抵抗性の小細胞肺癌(SCLC)肝転移再発に対して,肝動注化学療法が有効であった症例を報告する.症例.61歳男性.進展型SCLCの診断でカルボプラチンとイリノテカンの全身化学療法を行いCRとなったが,最終治療終了105日後に多発肝転移・肝門部リンパ節転移を認めた.再発後全身化学療法は奏効せず,再発病巣は多発肝転移が主体であったため,肝動注化学療法が施行された.シスプラチンとエトポシドによる肝動注化学療法は奏効しなかったが,シスプラチン(20 mg/body,day 1),ドキソルビシン(20 mg/body,day 1),イリノテカン(40 mg/body,day 1)による2週に1回の肝動注化学療法によりPRが得られた.再発後生存期間は66週であった.結論.肝転移が予後規定因子である全身化学療法抵抗性のSCLCにおいては,肝動注化学療法が有効な可能性がある.
索引用語:小細胞肺癌, 肝動注化学療法, 肝転移

受付日:2008年7月8日
受理日:2008年9月11日

肺癌 48 (7):821─824,2008

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