タイトル
第48巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

PET陽性所見を呈した薄壁空洞形成細気管支肺胞上皮癌の1例

片岡 和彦1, 中村 泉2, 住吉 秀隆2, 藤原 俊哉1, 松浦 求樹1, 妹尾 紀具1
広島市立広島市民病院 1呼吸器外科, 2呼吸器科

背景.薄壁空洞病変を呈する原発性肺癌はまれである.症例.51歳女性が,右下肺野の薄壁空洞を呈する胸部異常影にて入院した.CTにて,右S10に65×30 mmの薄壁空洞病変が認められた.空洞壁は不整で,厚みは2~6 mmであった.PETでは,空洞壁の一部にFDGの異常集積を認めた.SUVは最高で3.2であった.胸腔鏡下に手術を施行し,まず底区域切除を施行した.術中迅速病理診断にて,粘液産生型細気管支肺胞上皮癌と診断されたので,S6を追加切除し,リンパ節郭清も施行した.最終病理診断はほとんどが粘液産生型肺胞上皮癌である混合型腺癌と診断された.病理病期はT2N0M0 stage IBであった.結論.画像所見が薄壁空洞を呈する場合,胸腔鏡下手術を含めた精査を考慮すべきである.FDG-PETが薄壁空洞病変の鑑別診断に有用である可能性があるが,症例の集積が必要である.
索引用語:薄壁空洞, 細気管支肺胞上皮癌, FDG-PET, check valve機構

受付日:2008年8月11日
受理日:2008年10月21日

肺癌 48 (7):861─865,2008

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