タイトル
第49巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

非小細胞肺癌におけるアポトーシス関連遺伝子Survivinの発現頻度の免疫組織化学的検討

星 史彦1, 遠藤 千顕1, 桜田 晃1, 松村 輔二1, 岡田 克典1, 星川 康1, 佐渡 哲1, 野田 雅史1, 近藤 丘1
1東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分野

目的.抗アポトーシスタンパクのSurvivinは,種々の癌細胞の発現に重要な役割を担っている.非小細胞肺癌におけるSurvivinの発現形式が予後に与える影響について,免疫組織化学的に検討を行った.方法.2000年10月~2004年12月までに東北大学病院にて肺切除術を施行した非小細胞肺癌100例を対象とし,Survivinおよびp53の発現を免疫組織化学的に解析した.結果.100例は,男性71例,女性29例.平均年齢66.1歳.腺癌71例,扁平上皮癌29例であった.Survivinの発現は,64例で細胞質に,40例で核に,36例で両者に認められ,32例で核,細胞質ともに陰性であった.p53は57例で陽性であったが,Survivinの発現と相関を示さなかった.多変量解析の結果,核におけるSurvivinの発現は独立した予後不良因子であることが認められた.結論.核に存在するSurvivinは予後に影響を与えるが,どのvariantsが重要なのかを確認することは免疫組織化学的解析では不可能である.variants毎の発現をRT-PCRによって評価するさらなる研究が必要と考えられた.
索引用語:Survivin, 非小細胞肺癌, 免疫染色, 予後不良因子

受付日:2008年3月26日
受理日:2008年8月12日

肺癌 49 (1):12─16,2009

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