タイトル
第49巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第23回肺癌集検セミナー ─

電話相談から見た石綿関連肺ガンの報告

名取 雄司1,2
1医療法人社団ひらの亀戸ひまわり診療所呼吸器内科, 2中皮腫・じん肺・アスベストセンター

私達は,石綿に関する健康・建材・環境の電話相談を行うNPO「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」を2003年に設立し,健康相談では毎年100~500件の相談を受けてきた.石綿関連肺ガンは相談が急増しているが石綿曝露との関連が十分認識されていない疾患である.石綿関連肺ガンの診断には問診が重要で,石綿製品の知識,特に建築業での石綿含有建材の知識,世界の石綿肺ガンの規準の理解が欠かせない.そのため,国土交通省・経済産業省の建材データベースによる石綿含有建材,世界の石綿肺ガンの規準の変遷,標準的な石綿関連疾患の診断指針であるヘルシンキ・クライテリアを紹介した.石綿関連肺ガンでは石綿小体数の測定も重要で,様々な職業・家族・環境・建物・対照群の曝露に応じた石綿小体数の結果を示した.建築他の白石綿(クリソタイル)曝露を主にした石綿肺ガン事例が増加しており,石綿曝露を繊維×年数で考える典型例を示した.最後に,石綿則健診,石綿健康管理手帳,環境の石綿肺ガン対策の,意義と問題点を指摘した.
索引用語:肺ガン, 石綿小体, 建築, 白石綿, 繊維×年数

肺癌 49 (1):69─77,2009

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