タイトル
第49巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第23回肺癌集検セミナー ─

肺がん検診システムをどう構築するか―医師の立場から―

大松 広伸1
1国立がんセンター東病院呼吸器科

「東京から肺がんをなくす会(Anti-Lung Cancer Association)」では,1993年に本邦初となる肺がんCT検診を開始,2002年にはマルチスライスCT(以下MDCT)による検診となり,現在に至っている.CT検診導入後のIA期発見肺がんの割合は76%,平均腫瘍径は17.3 mmであり,CT導入前に比較して優れていた.CT検診開始以前より,読影労力低減を目的としたCAD(computer-aided diagnosis)システムの開発も開始した.CADは読影ビューアを兼ねるため,フィルムレス読影を実現し,医師が見落とした肺がん病変を拾い上げることもあった.MDCT導入後は,陰影発見時に追加撮影(thin-section CT)する割合が大幅に減少した(1.4%).月1回行われる定期カンファレンスが,医師の「目合わせ」(診断水準の均一化)に大変役立っており,がんと診断された症例は,過去のCT画像を見直し,診断水準の向上に役立てている.
索引用語:肺がん, 検診, CT, コンピュータ支援診断

肺癌 49 (1):109─112,2009

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