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第49巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
アスベスト関連肺癌の検討
西 英行1, 鷲尾 一浩1, 藤本 伸一1, 玄馬 顕一1, 岸本 卓巳1, 清水 信義1, 鈴木 勇史21岡山労災病院アスベスト疾患ブロックセンター, 2愛知県がんセンター研究所・疫学予防部
目的．アスベスト関連肺癌（以下，石綿肺癌）の患者背景および予後について検討した．対象と方法．1998～2007年に診断・治療した98例の石綿肺癌について検討した．結果．男性が92例，女性が6例であった．発症年齢，初回石綿ばく露年齢，ばく露期間，潜伏期間の検討では，各々平均71.4歳，23.5歳，31.4年，49.3年であった．石綿肺合併や石綿小体数より高濃度ばく露が多いことが示唆された．石綿肺癌とその他肺癌（当院における同時期のじん肺肺癌を除いた肺癌症例431例）の臨床病理学的比較において，性別，年齢，症状発見，performance status（PS），組織型，臨床病期と治療法に有意差を認めた．石綿肺癌およびその他の肺癌の予後は，生存期間中央値は20.4ヶ月，18.0ヶ月で，5年生存率は17.2％，18.5％で，有意差は認めなかった（P=0.881）．全症例の予後を多変量解析すると年齢，性別，PS，症状発見，臨床病期は有意な予後因子であったが，石綿ばく露歴は予後因子でなかった．年齢，性別，症状発見，喫煙指数，PS，組織型，病期の層別解析においても，石綿ばく露は予後因子でなかった．結語．石綿肺癌は一般的な肺癌と同等に予後不良であると考えられた．
索引用語：アスベスト関連肺癌, 予後
受付日：2008年3月11日
受理日：2008年12月17日
肺癌 49 (2)：167─173，2009
