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第49巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
ゲフィチニブ投与1年後に発症した急性肺障害・間質性肺炎の1例
藤生 浩一1, 鈴木 弘行2, 宮元 秀昭1, 母里 正敏11総合南東北病院呼吸器外科, 2福島県立医科大学第1外科
背景．癌性腹膜炎を伴う非小細胞肺癌に対してゲフィチニブが奏効したが，内服開始375日後に急性肺障害・間質性肺炎を発症した症例を経験した．ゲフィチニブ内服1年以降の発症はまれであり報告する．症例．患者は急性肺障害発症時72歳の男性．2004年7月癌性胸膜炎を伴う右肺腺癌と診断し，シスプラチン，ビノレルビン併用療法を5コース行った．その後S-1，シスプラチン併用療法を6コース行った．2007年4月癌性腹膜炎を併発し，腹水内の癌細胞にEGFR遺伝子変異（exon 19 deletion）を認めたため，2007年5月よりゲフィチニブ250 mg/日を開始した．2008年5月下旬より息切れを自覚，6月上旬の外来受診時，胸部X線で左肺野に網状陰影を認めた．胸部CTで左肺に非区域性びまん性にすりガラス陰影を認め，牽引性気管支拡張を伴っており，急性間質性肺炎と診断した．メチルプレドニゾロン1 g/日を3日間行ったが，診断後4日目に死亡した．
索引用語：ゲフィチニブ, 急性肺障害・間質性肺炎, 非小細胞肺癌, 癌性腹膜炎, 薬剤性肺障害
受付日：2008年8月26日
受理日：2008年11月4日
肺癌 49 (2)：183─186，2009
