タイトル
第49巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

繰り返す多発性脳転移に対してガンマナイフ治療を行い術後長期生存中のpN2非小細胞肺癌の1例

一ノ瀬 高志1, 渋谷 丈太郎1, 渡邊 龍秋1, 君塚 五郎2
岩手県立胆沢病院 1呼吸器外科, 2病理

背景.脳転移に対して定位照射や外科切除を行いかつ原発巣を完全切除可能なpN0非小細胞肺癌では,比較的良好な予後が期待できる.しかしpN1~2の場合にはその予後は極めて不良である.症例.45歳女性.胸部X線写真で左上肺野に長径約3 cmの結節影を指摘され,当科に紹介となった.CT写真で左上葉に長径約3 cmの結節がみられ,#5リンパ節は腫大していた.気管支鏡検査で腺癌と診断され,その後頭部MRIで脳転移が判明した.左上葉切除を施行した.病理組織診断は乳頭腺癌で,#5と#12uリンパ節に転移が認められた.開胸術の3週後脳転移に対してガンマナイフ治療を施行した.脳転移再発のため,術後5ヶ月と8ヶ月にガンマナイフ治療を施行した.再発防止の目的でゲムシタビンとシスプラチンの化学療法を2コース施行した.化学療法後も脳転移は再発し,開胸術後1年3ヶ月と3年5ヶ月に,4回目と5回目のガンマナイフ治療を施行した.以後再発はみられず術後6年4ヶ月が経過した.
索引用語:非小細胞肺癌, 脳転移, ガンマナイフ, 病理学的N2

受付日:2008年7月3日
受理日:2008年12月12日

肺癌 49 (2):202─206,2009

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