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第49巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
胸膜中皮腫に対する集学的治療に向けて
田中 文啓1, 橋本 昌樹1, 多久和 輝尚1, 松本 成司1, 近藤 展行1, 奥村 好邦1, 村上 亜紀2, 山田 秀哉2, 田村 邦宣2, 飯田 慎一郎2, 栗林 康造2, 三宅 光富2, 福岡 和也2, 坪田 紀明3, 上紺屋 憲彦4, 冨士原 将之4, 辻村 亨5, 長谷川 誠紀1, 中野 孝司2兵庫医科大学 1呼吸器外科, 2呼吸器RCU科, 3胸部腫瘍学, 4放射線科, 5病理学・分子病理部門
目的．悪性胸膜中皮腫に対する手術を含む集学的治療は，治療の有効性に関するエビデンスの欠如と毒性に関する懸念から，その臨床的意義が確立していない．研究計画．2004年4月から2007年11月までの間に兵庫医科大学病院において治癒目的で悪性胸膜中皮腫に対する手術を施行された，連続した19症例を後ろ向きに検討した．結果．19例中16例（84％）で胸膜肺全摘除術（EPP）を完遂し，病理学的完全切除は14例（74％）に行いえた．81％の症例で術前臨床病期より病理病期が進行しており，術前には腫瘍進行度をしばしば過小評価することが示唆された．14例中2例に重篤な合併症が生じ，1例はARDSが原因となってEPP術後42日目に死亡した．結論．EPPを含む集学的治療の臨床的有用性を，厳格な症例選択と適切な周術期管理の下に，臨床試験を組んで検討すべきである．
索引用語：悪性胸膜中皮腫, 集学的治療, 術前化学療法, ペメトレキセド, 胸膜肺全摘除術
肺癌 49 (4)：392─396，2009
