タイトル
第49巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

開胸肺悪性腫瘍切除術へのクリニカルパス―標準治療とDPC―

伊藤 宏之1, 中山 治彦1, 坪井 正博1, 菅 泰博1
1神奈川県立がんセンター呼吸器外科

目的.当科では肺悪性腫瘍手術を主に標準開胸で行っている.当科で使用しているクリニカルパス(パス)は,がん治療全国標準パスに準拠しており,本パスの標準日程表としての適正性とDPCでの損益状況について検証した.方法および結果.2005年11月~2007年8月に行った開胸術448症例中,パス適応率は94.4%,途中脱落は7.3%であった.パス非逸脱例の術後平均在院日数は8.7日であり,再入院は0.8%に認めた.バリアンス報告は平均1.6件,患者要因に関するものが大部分で,循環器関連が最多(31.5%)で,次いで疼痛(30.0%)であった.抗生剤使用日数を途中で短縮したが,術後創感染の増加は認めなかった(0.9%→1.1%,p>0.99).収益の比較では,出来高平均で117691点に比し,DPC包括平均では121215点で,収益は維持される結果となった.結論.本パスは,DPCにおいても標準日程表として妥当と思われた.
索引用語:肺悪性腫瘍, 肺癌, DPC(diagnosis procedure combination), 呼吸器外科, クリニカルパス

受付日:2009年1月23日
受理日:2009年4月1日

肺癌 49 (4):435─440,2009

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