タイトル
第49巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

サルコイドーシス合併IA期肺腺癌の1例

小林 尚寛1, 後藤 行延1, 中村 亮太1, 鬼塚 正孝1, 佐藤 浩昭2, 野口 雅之3
筑波大学附属病院 1呼吸器外科, 2呼吸器内科, 3病理部

背景.肺癌とサルコイドーシスの合併は稀であるが,両者が合併した場合,縦隔リンパ節腫大の過大評価によって肺癌に対する適切な治療が選択されない可能性がある.症例.60歳,女性.健診にて胸部異常陰影を指摘され本院受診となった.胸部CTで右肺S2に23 mm大の腫瘤陰影を認め,気管支鏡下擦過洗浄細胞診で右肺腺癌と診断した.縦隔リンパ節は#3のみが短径11 mmと有意な腫大を認め,術前診断は右肺腺癌でcT1N2M0 stage IIIAと診断した.右肺上葉切除と縦隔リンパ節郭清(ND2a)を行ったところ,術後病理組織検査にて縦隔リンパ節に転移はなく,ほとんどのリンパ節,および,切除肺内に非乾酪性肉芽腫を散在性に認め,サルコイドーシスの合併と診断した.結論.IA期肺腺癌にサルコイドーシスを合併した症例を経験した.外科的根治となる肺癌症例を逃さない努力が必要である.
索引用語:肺癌, サルコイドーシス

受付日:2008年12月18日
受理日:2009年3月17日

肺癌 49 (4):450─455,2009

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