タイトル
第49巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

原発性肺癌に対するがんワクチン治療

杉浦 未紀1,2, 吉田 幸弘1,2, 中島 淳2, 垣見 和宏1, 和田 洋巳3
東京大学医学部附属病院 1免疫細胞治療学(メディネット)講座, 2呼吸器外科, 3おおさか和田クリニック

原発性肺癌は現存の治療法だけでは治癒が困難であり,より有効な治療法の開発が必要である.がんワクチンは新たな治療法の一つとして期待されているが,現状では十分な効果を得るには至っていない.しかし,最近いくつかの臨床試験において有望な結果が得られつつある.ここでは,現在第III相臨床試験まで進んだMAGE-A3,EGF,MUC-1,Belagenpumatucel-L,MVA-MUC1-IL-2の5つのがんワクチンを中心に,肺癌に対するがんワクチン治療に関する最新の知見について紹介したい.また第I相,第II相試験からは,免疫応答に対する抑制性の環境に対する取り組みがみられるがんワクチン治療など,今後のがんワクチン開発の方向性を示唆する研究を紹介する.
索引用語:がんワクチン, 免疫療法, MAGE-A3, MUC-1

受付日:2009年3月26日
受理日:2009年4月27日

肺癌 49 (6):823─830,2009

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