タイトル
第49巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

再発非小細胞肺癌に対するGefitinibを2回以上投与した24例の解析

杉本 幸弘1,3, 千場 博1, 藤井 慎嗣1, 田中 智樹1, 佐藤 絵梨1, 蔵野 良一2
熊本地域医療センター 1呼吸器科, 2病理部, 3飯塚病院呼吸器内科

背景.Gefitinibは再発非小細胞肺癌に対して18.4%の奏効率を有するが,増悪(PD)後,一旦休薬したのちの再投与(リチャレンジ)に関しての報告は少ない.対象・方法.2002~2008年の6年間に当施設で再発非小細胞肺癌にGefitinibを投与し,奏効後不応となり,全身抗癌化学療法後にPDで,再度Gefitinibを2回以上投与した24例を対象とし,PS・腫瘍マーカー・抗腫瘍効果をretrospectiveに検討した.結果.女性/男性が21例/3例,54~84歳(中央値62歳),全例が非喫煙者,腺癌,IIIB~IV期であった.初回~5回目投与はPRが12例/3例/0例/0例/0例,SDが11例/18例/8例/3例/1例,PDが0例/3例/1例/2例/0例であった.PSの改善/不変/悪化は,12.5~29.2%/40.0~87.5%/0%であった.腫瘍マーカーは,初回と2回目は改善傾向で,3回目以降は悪化傾向であった.結論.Gefitinib 1~5回目の再投与について検討した結果,2回目までの投与が最も有用であることが示唆され,今後のprospectiveな研究に期待したい.また実地臨床においてリチャレンジの適応,タイミングが今後の検討課題となると考えられた.
索引用語:ゲフィチニブ, 再投与, 耐性, 非小細胞肺癌

受付日:2008年11月17日
受理日:2009年4月24日

肺癌 49 (6):831─835,2009

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