タイトル
第49巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

原発性肺癌に甲状腺癌の微小肺転移を併発した1例

多久和 輝尚1, 橋本 昌樹1, 奥村 好邦1, 近藤 展行1, 田中 文啓1, 長谷川 誠紀1
1兵庫医科大学呼吸器外科

背景.肺切除にあたっては原発性肺癌と,他臓器腫瘍の肺転移巣が併存する場合があることを念頭に置く必要がある.症例.71歳の男性.CT上,右肺上葉の小結節(5 mm大)と腫大した葉間リンパ節(20 mm大)を指摘された.右肺上中葉切除,1群リンパ節郭清を施行し,病理学的に肺腺癌の葉間リンパ節転移(pT1N1M0)と診断された.しかし,切除肺には極めて微小な甲状腺癌の多発肺転移を認めた.現在甲状腺癌の原発巣は同定されていない.結論.詳細な病理検索により,ともすれば見落とし兼ねない微小な甲状腺癌の肺転移巣を明らかにすることができた.
索引用語:肺癌, 甲状腺癌, 微小転移

受付日:2008年10月3日
受理日:2009年5月18日

肺癌 49 (6):868─871,2009

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