タイトル
第49巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺過誤腫経過観察中に発見された限局性細気管支肺胞上皮癌の1例

宮城 淳1, 赤嶺 盛和2, 川崎 英範3, 川畑 勉3, 石川 清司3
沖縄赤十字病院 1外科, 2内科, 3国立沖縄病院外科

背景.肺過誤腫と肺癌の合併が時々報告される.症例.70歳の女性が胸部CTにて右肺S3に2.0×1.5 cmの結節を指摘された.画像診断にて肺過誤腫と診断され,経過観察の方針となった.24ヶ月後,同葉内に10 mm大のすりガラス状陰影が発見された.胸腔鏡下に切除すると,すりガラス状陰影は細気管支肺胞上皮癌,結節は肺過誤腫と診断された.術後5年経過するも再発はみられていない.結語.肺過誤腫と肺癌の分子生物学的な関係は未だ明らかにされておらず,発癌に関してはまだ不明な点が多い.しかしながら肺過誤腫がみつかると比較的頻回にCT検査により経過観察されるので,経過中に肺癌が発見されている可能性がある.
索引用語:肺過誤腫, 細気管支肺胞上皮癌, 肺腺癌, すりガラス状陰影, 定期的CT検診

受付日:2009年5月8日
受理日:2009年6月25日

肺癌 49 (6):881─884,2009

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