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第49巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第23回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

GefitinibとErlotinib―どう使い分ける?―

里内 美弥子1
1兵庫県立がんセンター呼吸器内科

Gefitinib(イレッサ®)とErlotinib(タルセバ®)は上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)であり,非小細胞肺癌に対し単剤で抗腫瘍効果を有する薬剤である.Gefitinibは2002年7月に臨床導入され,効果や安全性のデータも蓄積されてきている.一方,Erlotinibが2007年12月に臨床導入され,本邦では2つのEGFR-TKIが使用可能になった.Gefitinibの承認投与量が最大耐用量の約1/3量であるのに対しErlotinibのそれは最大耐用量と同量で使用されるが,本邦での第II相試験の結果を単純比較すると奏効率や生存率に大差はなさそうである.同様の作用機序を有し,効果予測因子や毒性,耐性機序も共通の部分を有するこの2剤において,「奏効するpopulationや効果・毒性に臨床的違いがあるのか」,「一方の無効例や耐性化した症例に他方が有効な場合があるのか」,という「使い分け」を示唆する明確なエビデンスはない.本稿では両薬剤についての最近までの知見を述べて,その使い分けを考えたい.
索引用語:ゲフィチニブ, エルロチニブ, 使い分け, 患者選択, EGFR遺伝子変異

肺癌 49 (6):950─956,2009

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