第50巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
重症筋無力症と同時発症した胸腺原発粘表皮癌の1切除例
清家 彩子1, 長阪 智1, 桑田 裕美1, 伊藤 秀幸11国立国際医療センター呼吸器外科
背景.粘表皮癌は胸腺癌の極めて稀な1組織亜型として知られている.また重症筋無力症と胸腺癌の同時発症も極めて稀とされている.症例.62歳女性.嚥下困難にて発症.重症筋無力症と診断された.胸部CTにて前縦隔に約4.5×6 cm大の腫瘍を指摘された.重症筋無力症に対してプレドニゾロン・臭化ピリドスチグミンの内服を開始したところ,重症筋無力症は軽快した.前縦隔腫瘍も縮小し胸腺腫を疑い,胸骨正中切開による拡大胸腺・胸腺腫摘除術を施行した.摘出標本の最終病理診断は胸腺粘表皮癌であった.結論.極めて稀な胸腺原発の粘表皮癌と重症筋無力症の同時発症例を経験したので報告した.
索引用語:胸腺癌, 粘表皮癌, 重症筋無力症
受付日:2009年3月17日
受理日:2009年8月11日
肺癌 50 (1):12─14,2010