タイトル
第50巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

骨肉腫および扁平上皮癌成分を伴った肺小細胞癌の1例

濱井 宏介1,3, 江川 博彌1,2, 杉山 文1,3, 村井 博1,3, 金子 真弓2
広島市立安佐市民病院 1内科, 2病理部, 3広島大学分子内科学

背景.肺小細胞癌には組織学的に他の腫瘍成分が含まれる場合があり,その大部分は扁平上皮癌や腺癌との合併である.しかしきわめて稀であるが小細胞癌に肉腫成分を合併することが知られている.症例.54歳,男性.咳嗽,労作時呼吸困難を主訴に来院し,胸部X線写真より肺癌が疑われた.入院前日より呼吸状態が増悪し,入院当日に人工呼吸管理となった.挿管下に行った気管支鏡検査にて小細胞癌と診断された.化学療法を行ったが,入院14日後に死亡した.剖検にて一部に骨肉腫および扁平上皮癌成分を伴う肺小細胞癌と診断された.肉腫成分を伴う肺小細胞癌は非常に稀である.結論.骨肉腫および扁平上皮癌成分を伴った肺小細胞癌の1剖検例を経験した.
索引用語:混合型肺小細胞癌, 骨肉腫, 化学療法, 人工呼吸, Oncological emergency

受付日:2008年7月8日
受理日:2009年8月24日

肺癌 50 (1):15─20,2010

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