第50巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
上咽頭転移をきたした肺癌の1例
高田 和外1, 松本 修一1, 平松 哲夫1, 小島 英嗣1, 田中 博之21小牧市民病院呼吸器アレルギー内科, 2愛知医科大学病院呼吸器アレルギー内科
背景.肺癌からの転移性上咽頭腫瘍はこれまでに本邦で2例のみ報告されている.肺癌の上咽頭転移は極めて稀である.症例.肺大細胞癌の81歳女性に鼻閉が出現した.MRIにて上咽頭に腫瘍性病変を認めた.鼻咽頭ファイバーで上咽頭全体を占める白苔に覆われた腫瘍の生検を行った.細胞学的特徴や免疫染色パターンの一致から肺癌からの転移と診断された.放射線治療で腫瘍は縮小し鼻症状は著明に改善した.結論.肺癌診断22ヶ月後に極めて稀な上咽頭転移を合併した1例を経験した.全身状態が良好であれば局所管理とともに全身化学療法の併用が望ましいと思われた.
索引用語:肺癌, 上咽頭転移, 転移性上咽頭腫瘍
受付日:2009年4月9日
受理日:2009年10月9日
肺癌 50 (1):33─36,2010