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第50巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第34回画像診断セミナー ─

肺癌のPET/CT像

村上 康二1
1獨協医科大学病院PETセンター

PET/CTとはPETとCTが直列に配置された一体型の装置である.患者が同位置のままCTとPETが撮影できるため,両者のデータが解剖学的にほとんどずれない.本装置の長所は2つあり,一つは,CTをトランスミッションスキャンとして用いることにより検査時間の短縮と画質の向上がはかれる点である.もう一つはPETとCTの正確な融合画像が得られる点である.融合画像はコントラストに優れるPETと空間分解能に優れるCTの画像の長所を合わせた画像になり,PET単独の場合に比べて臨床的有用性が大きく改善された.PET/CTの画像は通常の診断に有用性が高いだけでなく,放射線治療計画への応用や仮想気管支鏡,仮想縦隔鏡などの3次元画像への応用など,PET専用機ではできなかった新たな応用への道を開いた.PETは現在も装置本体や放射性医薬品などの,様々な分野で研究や開発が進行中であり,将来的に最も発展が期待される画像診断法の一つである.
索引用語:肺癌, PET/CT, 放射線治療計画, 3次元画像, 仮想内視鏡

肺癌 50 (1):71─77,2010

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