タイトル
第50巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

Cisplatin,vinorelbine併用療法による術後補助化学療法の日本人における用量漸増試験

船井 和仁1,2, 望月 孝裕1, 籾木 茂1
1県西部浜松医療センター呼吸器外科, 2浜松医科大学第1外科

目的.現在最もエビデンスレベルの高いcisplatin(CDDP)+vinorelbine(VNR)による術後補助化学療法の日本人における至適投与量を用量漸増試験により明らかにする.方法.CDDPとVNRをday 1,8に投与し,4週ごとに4コース施行した.レベル1をCDDP/VNR=40/20(mg/m2),レベル2を40/25(mg/m2),レベル3を45/25(mg/m2)とし,各レベル3例に投与した.用量制限毒性(DLT)の発現がなければ次のレベルに移行した.3例中1~2例にDLTの発現を認めた場合には3例を追加して6例で検討し,DLT発現症例が6例中2例以下の場合には次のレベルに移行した.3例全例にDLTが発現した場合にはその投与レベルを最大耐用量(MTD)とし,1つ下のレベルを推奨用量(RD)とした.結果.12人が試験に参加した.レベル1,2ではDLTの発現がなくレベル3に移行した.レベル3では3例全例にDLTを認めたためレベル3をMTDとし,レベル2をRDと決定した.結論.日本人におけるCDDP+VNRによる術後補助化学療法の至適投与量はCDDP/VNR=40/25(mg/m2)day 1,8投与である.
索引用語:肺癌, 術後補助化学療法, シスプラチン, ビノレルビン, 用量漸増試験

受付日:2009年12月16日
受理日:2010年2月24日

肺癌 50 (2):136─140,2010

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