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第50巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第24回肺癌集検セミナー ─

肺癌検診の精度管理の方向性―大阪府の試み―

中山 富雄1, 鈴木 隆一郎1, 楠 洋子2
1大阪府立成人病センターがん予防情報センター, 2大阪府立呼吸器アレルギー医療センター

目的.現状の肺癌検診においては,各市町村および検診機関の間に大きな精度の差があるため,府県において肺癌検診の精度を評価するシステムを確立する必要がある.方法.大阪府生活習慣病検診管理指導協議会肺癌部会では,各市町村別の要精検率・精検受診率・がん発見率をランキングしたグラフを作成し,精度が悪い市町村に対する理由の考察を添えたものを2005年度分の報告書から導入した.結果.従来の集計表のみの報告書に比べてグラフを用いた分析は,府県の事務担当者にも理解しやすく,好評であった.2006年度より各がん検診の精度指標を市町村別にランキングしたグラフを,大阪府のホームページに公開している.考察.ホームページへの精度管理指標の公開は,府県の職員にも受け入れられやすい方法であるが,これだけでは各市町村の自発的な自浄能力を期待することになり不十分である.分析結果に基づいて,生活習慣病検診管理指導協議会は各市町村に具体的な改善策を提示することが必要である.
索引用語:肺癌検診, 精度管理, 生活習慣病検診管理指導協議会

肺癌 50 (2):201─205,2010

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