タイトル
第50巻第2号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (300K)
Article in Japanese

─ 第24回肺癌集検セミナー ─

わが国のがん対策の動向

前田 光哉1
1厚生労働省健康局総務課がん対策推進室

がんは1981年からわが国の死亡原因の第1位である.政府は1984年より対がん10か年総合戦略,1994年よりがん克服新10か年戦略を策定し,2004年から,がん罹患率と死亡率の激減をスローガンとし,がん研究の推進及び質の高いがん医療を全国に普及することを目的に,がん予防の推進及びがん医療の向上とそれを支える社会環境の整備を柱とする第3次対がん10か年総合戦略を推進している.2005年に,厚生労働省はがん対策を総合的に推進するため,がん対策推進本部を設置し,がん対策の促進を目的とした「がん対策推進アクションプラン2005」を策定した.2006年には,がん対策推進室を健康局に新設した.2006年にがん対策基本法が成立し,2007年に施行された.この法律に基づき,がん対策推進協議会の議論を踏まえ,2007年にがん対策推進基本計画が閣議決定された.この計画は,2007年から2011年までの5年間が対象で,全体目標は,「がんによる死亡者の減少」,「すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」の2つであり,がん医療,医療機関の整備等,がん医療に関する相談支援及び情報提供,がん登録,がんの予防,がんの早期発見,がん研究という7つの分野に分かれている.
索引用語:第3次対がん10か年総合戦略, がん対策推進本部, がん対策基本法, がん対策推進基本計画, 全体目標

肺癌 50 (2):206─210,2010

ページの先頭へ