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第50巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 第24回肺癌集検セミナー ─
乳癌検診からみた精度管理のあり方
森本 忠興1,2, 遠藤 登喜子1,3, 岡崎 正敏1,4, 福田 護1,5, 堀田 勝平11NPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会, 2公立学校共済組合四国中央病院, 3国立病院機構名古屋医療センター, 4福岡大学医学部, 5聖マリアンナ医科大学
欧米では，乳癌死亡率の低下がみられる．この要因は，マンモグラフィ検診の普及により早期乳癌が増加したことやEBMに基づいた標準的全身療法の確立があげられている．一方，本邦では，女性乳癌死亡・罹患率ともに増加している．乳癌検診が視触診単独によって，集団検診の形式で長年行われてきた．2000年以降の厚生労働省の通達により，40歳以上の女性にマンモグラフィ検診が導入されている．癌検診には，精度管理が必須であり，本邦では，1997年，日本乳癌検診学会を中心に検診関連6学会のもとにマンモグラフィ検診精度管理中央委員会を設立し，その精度管理システム作りを行ってきた．現在，本邦の乳癌検診の受診率は20数％であり，この低い受診率では，乳癌死亡率を低下させることは不可能である．本稿では，本邦の乳癌検診の過去の経緯と現状，精度管理システムを紹介し，欧米のマンモグラフィ検診についても述べた．さらに本邦乳癌検診の問題点を指摘し，今後の具体的な施策，すなわち受診率向上（50％目標），財政的支援，各種検診の精度管理などを含めた法的整備の必要性について述べた．
索引用語：乳癌, マンモグラフィ検診, 死亡率減少, 精度管理, マンモグラフィ検診精度管理中央委員会（精中委）
肺癌 50 (2)：211─218，2010
