タイトル
第50巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

CODE療法による化学療法後に切除し得た縦隔原発腫瘍の1症例

河野 朋哉1, 国吉 真行2, 河崎 英範2, 川畑 勉2, 大田 守雄2, 石川 清司2
1市立長浜病院呼吸器外科, 2国立病院機構沖縄病院外科

症例.30歳の男性.縦隔原発腫瘍にて針生検を行ったが診断がつかず,やむなく診断未確定のまま,手術適応なしと判定し,CODE療法(cisplatin,vincristine,doxorubicin,etoposide)による化学療法を施行した.4コース終了時点でのCT検査では腫瘍は85%の縮少を認めたため,salvage手術として胸骨正中切開にて腫瘍切除術を施行した.腫瘍は広範囲に線維化しており,病理標本にて腫瘍細胞の遺残を認めなかった.術後2 Gy×25 Fr(total 50 Gy)の放射線療法を行った.術後5年を経過した時点で再発の徴候を認めない.結論.縦隔腫瘍の組織学的診断は困難なことがあり,CODE療法はこのような症例において有益な結果をもたらす可能性がある.
索引用語:縦隔腫瘍, 化学療法, CODE療法, 手術

受付日:2009年8月7日
受理日:2010年6月7日

肺癌 50 (4):347─352,2010

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