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第50巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
MCTDを合併した多房性胸腺嚢胞の1例
蜂須賀 康己1, 魚本 昌志11財団法人永頼会松山市民病院呼吸器外科
背景．多房性胸腺嚢胞（multilocular thymic cyst：MTC）は比較的稀な疾患で，悪性疾患や自己免疫疾患の合併例が報告されている．症例．60歳，女性．混合性結合組織病（mixed connective tissue disease：MCTD）にて当院内科で通院加療中，2006年胸部CTで前縦隔に腫瘤を指摘された．腫瘤の増大傾向を認め胸腺腫を疑い，2008年に胸骨縦切開アプローチによる手術を施行した．腫瘤は多房性で縦隔胸膜への強固な癒着を認め胸腺全摘術を行った．切除標本の病理組織診断はリンパ濾胞過形成を伴うMTCであった．結論．MCTDを合併し，リンパ濾胞過形成を伴った稀なMTCの1例を経験した．MTCの手術術式に関しては，稀な疾患であるため，明確な指針がないのが現状である．
索引用語：多房性胸腺嚢胞, 胸腺, 混合性結合組織病
受付日：2010年3月11日
受理日：2010年8月23日
肺癌 50 (6)：835─840，2010
