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第51巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
von Recklinghausen病に合併した肺癌の1家族例
寺本 晃治1, 川口 庸1, 堀 哲雄1, 北村 将司1, 花岡 淳1, 手塚 則明11滋賀医科大学呼吸器外科
背景．von Recklinghausen病は常染色体優性の遺伝性疾患で悪性上皮性腫瘍の合併は稀である．症例1（父）．74歳，男性．約1ヶ月，嗄声が持続するため当院を受診した．胸部X線・CTで左肺腫瘍と縦隔リンパ節の腫脹を認め，縦隔鏡検査で肺腺癌と診断した．腹部CTで左副腎転移を認めcT4N2M1 stage IVと診断し全身化学療法を施行したが，経過中に小腸転移が出現しこれによるイレウスを繰り返した．治療をゲフィチニブ内服やパクリタキセル単剤などに変更し継続したが効果なく，呼吸不全より初診時より約5ヶ月後に死亡された．症例2（子）．56歳，男性．約1ヶ月，咳嗽が持続するため近医より当院を紹介受診した．胸部X線・CTで右肺尖部に径10 cm大の腫瘍を認め肺癌が疑われた．右肺上葉切除術を施行し腫瘍は肺多形癌，pT3（壁側胸膜浸潤）N0M0 stage IIBと診断した．術後，胸壁への放射線治療と全身化学治療を施行し，現在，経過観察中である．結論．遺伝性の疾患に肺癌を合併した稀な1父子例を経験したので文献的考察とともに報告した．
索引用語：von Recklinghausen病, 肺癌, 家族例
受付日：2010年9月8日
受理日：2010年12月27日
肺癌 51 (2)：72─76，2011
