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第51巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第24回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

当院における外来化学療法の現況―悪性胸膜中皮腫に対するペメトレキセド+シスプラチン併用療法の外来化学療法における安全性の検討―

福岡 和也1,2, 栗林 康造1, 藤盛 好啓2, 中野 孝司1,2
兵庫医科大学 1内科学呼吸器RCU科, 2がんセンター

目的.悪性胸膜中皮腫(MPM)に対するペメトレキセド+シスプラチン併用療法の外来化学療法における安全性を検討する.方法.対象は病理組織学的にMPMと診断された前化学療法歴のない症例.方法は,ビタミン併用下,3週間隔でday 1にペメトレキセド(500 mg/m2)およびシスプラチン(60~75 mg/m2)を静脈内投与した.結果.本併用療法を受けた105例のうち,77例が外来化学療法にて治療を継続した.性別は,男性64例,女性13例.平均年齢は62.2歳(44~77歳).組織型は上皮型65例,非上皮型12例.総投与サイクル数は285で,中央値は3(1~11).グレード3以上の血液毒性は白血球数減少10例(13.0%),好中球数減少15例(19.5%),貧血8例(10.4%)であった.発熱性好中球減少および好中球減少時の感染はなかった.主な非血液毒性は,悪心,便秘,食欲不振,嘔吐などの消化器毒性であったが,グレード3以上は認められなかった.その他のグレード3の有害事象は,神経障害1例とアレルギー反応2例であった.最も一般的な臨床検査項目異常は,血中クレアチニン上昇21例(27.3%),血中アミノトランスフェラーゼ上昇12例(15.6%)であった.治療関連死を認めなかった.結論.MPMに対する本併用療法の外来化学療法における安全性が確認された.
索引用語:悪性胸膜中皮腫, ペメトレキセド, シスプラチン, 化学療法, 外来患者

肺癌 51 (2):109─112,2011

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