第51巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
間質性肺炎合併進行期非小細胞肺癌の臨床的検討
渡辺 尚宏1, 谷口 博之1, 近藤 康博1, 木村 智樹1, 片岡 健介11公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科
目的.間質性肺炎(interstitial pneumonia:IP)合併進行期非小細胞肺癌の臨床的特徴を検討した.方法.IP合併と診断された非小細胞肺癌の患者で進行期(stage IIIB,IV)かつ内科的治療対象となった37例をretrospectiveに検討した.結果.治療方法は化学療法29例,BSC(best supportive care)8例.化学療法施行症例のMST(median survival time)は11.9ヶ月で,BSC症例は2.1ヶ月であった.施行された1st line regimenの奏効率は44.8%であった.化学療法の総line数別では2nd lineまで施行された症例のMSTが10.3ヶ月であったのに対し,3rd line以上施行された症例のMSTは22.0ヶ月と有意に長かった(P=0.0019).一方,急性増悪は11例で発症し,発症例と非発症例のMSTには有意差を認めなかった.結語.IP合併非小細胞肺癌における化学療法による予後延長の可能性が示された.また,多くのlineの治療を受けた症例の方が予後が延長していた.
索引用語:間質性肺炎, 非小細胞肺癌, 化学療法, 急性増悪
受付日:2011年1月24日
受理日:2011年3月10日
肺癌 51 (3):171─176,2011