タイトル
第51巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対する三次治療以降のペメトレキセド療法の忍容性の後方視的検討

平井 文彦1, 野崎 要1, 大場 太郎1, 米谷 卓郎1, 山口 正史1, 濱武 基陽1, 瀬戸 貴司1, 杉尾 賢二1, 一瀬 幸人1
1国立病院機構九州がんセンター呼吸器科

目的.ペメトレキセド(PEM)の非扁平上皮非小細胞肺癌に対する保険適応後の投与例において,特に既治療例(三次治療以降)に対する忍容性の検討を行った.方法.PEM保険適応後の2009年5月から2010年3月末までの期間で,進行非扁平上皮非小細胞肺癌症例に対して三次治療以降としてPEMを投与した連続25症例における,有害事象および治療効果の検討を行った.結果.対象症例は25例.男性/女性:15/10,年齢中央値は67歳(51~78),IIIB/IV期:5/20, performance status(PS)は0/1/2:12/12/1,組織型は腺癌/大細胞癌:24/1であった.化学療法既施行レジメン数は2/3/4/5/7レジメン:12/4/6/2/1,投与コース数は中央値7コース(1~19)であり,1コース/2~4コース/5~9コース/10コース以上:3/7/7/8(4例は2010年10月中旬現在,治療継続中)であった.有害事象について,Grade 3以上の血液毒性は,白血球減少および好中球減少がそれぞれ12.0%と16.0%,Grade 3以上のヘモグロビン減少を4.0%に認めた.Grade 3以上の非血液毒性は皮疹を8.0%認めたが,その他の重篤な非血液毒性は認めなかった.効果はpartial response/stable disease/progressive disease:1/18/6であり,無増悪生存期間中央値は22.0週であり,生存期間中央値は47.8週であった.また,治療関連死は認めていない.結論.PEM療法は非扁平上皮非小細胞肺癌に対する三次治療以降の既治療症例に対しても忍容可能性があると考えられた.
索引用語:ペメトレキセド, 非扁平上皮非小細胞肺癌, 三次治療, 四次治療, 忍容性

受付日:2010年11月24日
受理日:2011年4月22日

肺癌 51 (4):227─232,2011

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