タイトル
第51巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

呼吸困難で発症した中枢気道の腫瘍性病変に対する二期的手術―硬性気管支鏡下core outの有用性―

高濱 誠1, 山本 良二1, 月岡 卓馬1, 多田 弘人1
1大阪市立総合医療センター呼吸器外科

目的.呼吸困難で発症した中枢気道の腫瘍性病変に対して,二期的手術を企図し緊急硬性気管支鏡(RBS)下core outを施行した症例を検討した.対象.2007年1月から2010年12月までに気道狭窄に対してRBS下に治療が施行されたのは103例で,二期的手術を企図しRBS下core outを施行した6例を対象とした.男女比は5:1,年齢中央値63歳.腫瘍の原発部位は気管4例,左主気管支2例.結果.当院初回受診当日に全症例で緊急RBS下に腫瘍をcore outした.呼吸困難は全例で改善,術後合併症を認めなかった.切除した病理組織学的検索では腺様嚢胞癌5例,神経線維腫1例であった.二期的根治手術は4例に施行し,気管環状切除再建術3例,左sleeve pneumonectomy 1例であった.2例は高齢を理由に手術を拒否された.結語.中枢気道の腫瘍性病変に対する緊急RBS下core outは安全で,二期的根治手術を安全に行う上で有用であった.
索引用語:硬性気管支鏡, 気管内腫瘍, 気道狭窄

受付日:2011年3月16日
受理日:2011年4月28日

肺癌 51 (4):233─236,2011

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