タイトル
第51巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

V-V ECMOを使用し気管切除を行った気管原発salivary gland-type腺癌の1切除例

吾妻 寛之1, 吉岡 洋1, 加藤 久明2, 小笠原 智彦2, 都築 豊徳3, 平松 義規4
名古屋第二赤十字病院 1呼吸器外科, 2呼吸器科, 3病理診断科, 4豊田厚生病院呼吸器外科

背景.気管癌は稀な疾患であり,腺癌はほとんど報告例がない.今回我々は咳とともに腫瘍細胞を喀出し診断された気管原発腺癌の1切除例を経験したため,手術手技に関する考察も含め報告する.症例.48歳女性,咳とともに米粒大の結節を喀出し近医受診.声帯ポリープとして2年間経過観察されたが改善せず,喀出片の組織診で腺癌と診断され当院を紹介受診.胸部CTで気管前壁から隆起する有茎腫瘍を認めた.気管支鏡で気管の2/3を閉塞する腫瘍を認め,生検でmalignant salivary gland-type腺癌と診断された.手術は術野挿管を行わず,veno-venous extracorporeal membrane oxygenation(V-V ECMO)下に気管切除再建術を施行した.術後3年間再発を認めていない.結論.稀な気管原発salivary gland-type腺癌に対し術野挿管をせずにV-V ECMO下に気管切除再建術を行った1症例を経験した.
索引用語:気管腫瘍, 唾液腺様腫瘍, 腺癌, 膜型人工肺

受付日:2011年1月6日
受理日:2011年6月9日

肺癌 51 (4):270─273,2011

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