タイトル
第52巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

胸腺嚢胞を合併した胸腺カルチノイドの1切除例

住友 亮太1, 住友 伸一2, 松本 和也2, 奥田 昌也2, 中野 貴之3, 飯森 俊介2
1市立島田市民病院呼吸器外科, 2日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器外科, 3高知医療センター呼吸器外科

背景.胸腺嚢胞を合併した胸腺カルチノイドの報告は非常に稀である.症例.35歳男性.慢性C型肝炎の経過観察中に胸部X線写真で異常陰影を指摘された.胸部CTで一部に嚢胞性病変を示す前縦隔腫瘍を認めた.PET-CTではSUVmax 3.95の集積を腫瘍に認めた.CTガイド下生検で高分化神経内分泌腫瘍と診断され,手術目的に当院に紹介となった.胸骨正中切開で縦隔腫瘍・胸腺摘出術を施行した.腫瘍は胸腺嚢胞を合併した胸腺非定型カルチノイドで,前縦隔リンパ節への転移を認めた.結論.胸腺嚢胞を合併した胸腺カルチノイドの1切除例を経験した.同症例の報告は日本で第1例目である.胸腺嚢胞から胸腺カルチノイドが発生した可能性が示唆された.
索引用語:高分化神経内分泌腫瘍, 胸腺非定型カルチノイド, 胸腺嚢胞

受付日:2011年7月8日
受理日:2011年11月18日

肺癌 52 (1):39─42,2012

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