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第52巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

肺癌のPET診断

樋口 徹也1, 有坂 有紀子1, 中澤 梓1, 対馬 義人1, 織内 昇1, 遠藤 啓吾1
1群馬大学大学院医学系研究科放射線診断核医学

目的.肺癌診断におけるPET診断の有用性を検討する.研究計画(方法).肺癌の診断において,18F-FDGを用いるPET/CTは肺結節の良悪性診断や病期診断などの初期診断,治療効果判定,再発診断において日常臨床で頻繁に利用される.また,近年,分子標的治療薬による導入化学療法の早期治療効果判定や治療効果予測や予後予測などへのPET検査の応用が進み,FDGに加え,新しいPET核種による診断の研究も進んでいる.本稿では,FDG-PETを中心に,肺癌診断におけるPET診断の有用性を述べる.結果.肺癌の初期診断においては,SUVを用いて,大まかな良悪性診断は可能であるが,特に小病変では,CTとの併用による診断が重要である.病期診断では,肺門リンパ節への非特異的集積などが診断上問題であるが,CTとの併用などでより正確な診断が可能である.再発診断には,FDG-PETは特に有用である.肺癌の治療効果判定には,RECISTなどを用いた治療効果判定や効果予測が可能である.結論.PET診断は,肺癌診断において非常に有用であり,今後は,早期効果判定への応用,新しい核種での診断などが進むと考えられる.
索引用語:FDG(18F-fluorodeoxyglucose), 肺癌, FDG-PET/CT, 病期診断, 早期治療効果判定

肺癌 52 (2):161─167,2012

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