第52巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
4次元照射と呼吸同期照射
木村 智樹1, 西淵 いくの1, 村上 祐司1, 権丈 雅浩1, 兼安 祐子1, 永田 靖11広島大学病院放射線治療科
4次元照射とは従来の3次元照射に呼吸性移動などの時間的要素を加味したものと定義できる.当科では4次元CT(4D-CT)と呼吸同期システム(RPM;Real-time Position Management System)を導入し,2009年より呼吸同期照射を開始した.これにより呼吸性移動の大きな患者において,有意に肺線量を軽減することが可能となった.一方で,本システムによる呼吸同期照射には呼吸の再現性や標的の輪郭描画といった不確定要素を内包するだけでなく,4D-CTによる被曝の増大,治療計画の煩雑さ,そしてエビデンスの構築といった問題が存在しており,呼吸同期照射の普及にはこれらの課題の解決が必要である.
索引用語:4次元照射, 4次元CT, 呼吸同期照射
肺癌 52 (2):174─181,2012