タイトル
第52巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

cN0非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線治療と手術治療の予後の比較

中川 達雄1, 齊藤 正男1, 徳永 義昌1, 近藤 健1, 根來 慶春2
天理よろづ相談所病院 1呼吸器外科, 2放射線科

目的.非小細胞肺癌に対する定位放射線治療(stereotactic body radiotherapy;SBRT)と手術治療の治療成績を比較すること.方法.2003年1月から2010年12月までにcN0非小細胞肺癌に対して行われたSBRTおよび手術症例を対象とした.結果.SBRT群30例の組織型は腺癌14例,扁平上皮癌11例,その他5例であった.放射線照射は,10 Gy×5が12例,7.5 Gy×8が3例,12 Gy×4が9例,12.5 Gy×4が6例であった.手術群575例の組織型は腺癌417例,扁平上皮癌124例,その他34例で,術式は全摘3例,肺葉切除507例,区域切除38例,部分切除27例であった.背景因子は,SBRT群で年齢が高値,PSが不良,%FEV1.0が低値であった.5年生存率は,SBRT群で51.0%,手術群で77.4%と有意差を認めた(p=0.012)が,疾患特異生存率では有意差は認めなかった.多変量解析およびpropensity score matchingを用いた比較では,両群間に有意差を認めなかった.結論.cN0非小細胞肺癌に対してSBRTは手術と同等の治療効果が期待できる.
索引用語:非小細胞肺癌, 手術, 定位放射線治療, 予後

受付日:2011年11月14日
受理日:2012年3月2日

肺癌 52 (2):209─214,2012

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