タイトル
第52巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

5年間放置した胸腺粘表皮癌の1手術例

有村 隆明1, 境澤 隆夫1, 小沢 恵介1, 西村 秀紀1
1長野市民病院呼吸器外科

背景.粘表皮癌は唾液腺に好発する腫瘍であり,胸腺原発は稀でありその報告は少ない.症例.52歳の男性,2004年7月にCT検診で前縦隔腫瘍を指摘されMRIを行ったが,放置していた.2009年1月に慢性副鼻腔炎の術前検査で,増大した縦隔腫瘍を認めた.経皮針生検で粘表皮癌と診断し縦隔腫瘍摘出術を行った.病理組織診断で低分化型高悪性群の粘表皮癌と診断し補助放射線療法を行った.術後15ヶ月で再発し放射線療法や全身化学療法を行ったが術後29ヶ月に癌死した.結論.今回,比較的稀な胸腺粘表皮癌の1例を経験した.
索引用語:縦隔腫瘍, 胸腺癌, 粘表皮癌

受付日:2011年8月18日
受理日:2012年2月20日

肺癌 52 (2):226─231,2012

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