第52巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
化学療法後に根治術を施行した肺印環細胞癌の1例
日野 佑美1, 梶 政洋1, 宮原 尚文1, 小林 零1, 末舛 恵一11東京都済生会中央病院呼吸器外科
背景.肺原発の印環細胞癌はまれで予後不良であり,有効な化学療法も確立されていないのが現状である.症例.66歳,女性.検診で胸部異常影を指摘され前医を受診し,気管支鏡検査で印環細胞癌と診断され加療目的に当院を受診した.縦隔リンパ節腫大を複数箇所認め,まずシスプラチン+S-1による化学療法を施行した.リンパ節の軽度の縮小効果を認め,手術を施行した.病理診断も同様の組織型で治療効果はわずかに認めるのみであった.結論.まれながら肺原発の印環細胞癌も存在することを認知しておく必要があるとともに,今後も症例を蓄積し,最善の治療法の確立が急務である.
索引用語:印環細胞癌, 肺癌, 化学療法, 手術
受付日:2012年1月11日
受理日:2012年3月15日
肺癌 52 (2):248─252,2012