第52巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 第25回肺がん集検セミナー ─
精密検査担当医療機関との連携は図られているか
木部 佳紀1, 魚谷 知佳1, 田畑 正司1, 池田 一浩1, 松永 哲夫11財団法人石川県予防医学協会
目的.検診で発見された要精検者に対して検診機関と精検医療機関が緊密な連携をとることは,精度管理上重要である.当協会では要精検者について細かな経過追跡作業を行っているが,その実状を報告する.方法.2007年4月から2009年3月までの2年間に当協会の胸部検診受診者のうち,胸部X線撮影でE判定とされ,精検医療機関を受診した1,911例を対象に,精検医療機関での追跡回数・追跡期間,追跡中断例については中断理由について検討した.結果.精検医療機関から結果報告があった1,487例のうち,1,411例(94.9%)は精検医療機関で診断が確定した.うち1,323例(89.0%)はその期間が1か月以内であった.2か月を超えて追跡が行われた164例中,120例は追跡期間が1年以内であった.追跡が中断されたものは28例であった.中断理由の最多は本人の意思で受診が途絶えたもので20例,次いで精検医療機関からの報告が途絶えたものが5例であった.追跡中断例の診断名は「確定できず」25例,「肺がん疑い」2例,残りの1例は診断がつきながら追跡が中断されたものであった.結論.検診の精度管理において,検診機関と精検医療機関の緊密な連携が重要であることが示された.
索引用語:肺がん検診, 精度管理, 追跡調査
肺癌 52 (6):930─937,2012