タイトル
第52巻第6号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (1050K)
Article in Japanese

─ 第25回肺がん集検セミナー ─

低線量CT検診の普及率―人間ドック機関へのアンケート結果 その実態と阻害要因―

瀧澤 弘隆1,2
1(一財)柏戸記念財団ポートスクエア柏戸クリニック所長, 2日本人間ドック学会低線量CT肺がん検診推進小委員会実行委員長

目的.日本人間ドック学会会員施設を対象に,各施設における胸部CT検診の実態と低線量撮影に踏み切れない理由に関する調査を行った.方法.2008年11月実施の第1回調査に引き続き,2010年7月会員531施設を対象に9項目からなるアンケート調査票を送り,FAXで回答を得て解析を行った.結果.低線量でのCT肺がん検診実施率は,前回に比べて微増を示したのみで35%であった.その一方,低線量域に至っていないものの電流量値を臨床使用値から低減の方向に移行している施設も見られ,同CT検診について「知識はあれど実行に踏み切れず」の施設が多いことが示唆された.低線量化できない理由として,装置・性能の問題を超えて画質優先の回答が数多く寄せられた.インフォームド・コンセントは確実な実施が必要な状況であった.結論.改善について,メーカー側には低線量画像の画質改善を図る技術開発とユーザー側への十分な情報提供が求められ,低線量化の必要性への深い認識とその推進・徹底を図る決断が,担当医師及び技師のみならず施設首脳・管理者にも強く求められる.
索引用語:人間ドック, アンケート調査, 低線量CT肺がん検診, 普及阻害要因, CT画質

肺癌 52 (6):948─955,2012

ページの先頭へ